初のビックウォール登攀 ハーフドーム【スネークダイク】

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今回のクライミングツアーでの一番の目的はビックウォールを登ること。初めてなので入門ルートとして人気なSnake Dike(スネークダイク)というハーフドームを登るルートを選択。
名前の通り蛇のような形状の岩をひたすら登るルート。

トポ(ルートの地図)はヨセミテ国立公園内のキャンプ用品店にて購入できる他、アウトドア用品店のREIでも見かけた。
販売元はSUPER TOPOでトポ名は「Yosemite Valley Free Climbs

トポ情報
クライミング所用時間:3~4時間
アプローチ時間:3~4時間
降下時間:3~4時間
壁の高さ:800フィート?
ピッチ数:8ピッチ
最高グレード:5.7

最高グレードは5.7。日本では5.11台を登っているので、全く問題ないと思っていた。しかし不慣れなマルチピッチに加え、安全確保できない恐怖によりかなり大変だった。

目次

装備

今回、装備についてはかなり心もとなかったが参考までに。

・クライミングシューズ
・ハーネス
・ATCガイド
・カム(#0.3,#0.4,#0.5,#0.75,#1,#2,#3,#4各1)
・環付きカラビナ×6
・カラビナ×2
・ヌンチャク×4
・シングルロープ(60m)×1本
・ビレイコード
・ビレイグローブ
・ヘルメット
・無線
・スリング(180cm,60cm,30cm)
・水500ml×4本、ゲータレード500ml×2本を各自で持って行った。下山までにすべて飲み切った。
・無線

今回の反省点として敗退用に60mロープを+1本。カムを倍の数用意するべきだった。(サイズは同じサイズで問題ない)
無線はバイク用の無線(B+COM SB6X)を無理やりヘルメットにつけた。電波は障害物がない状態で最大1.4km飛ぶが互いの姿か見えなくなった時に電波が途切れてしまった。肝心なところで使えない。ないよりはあった方が良い程度だった。

アプローチ

5:00
 camp4で起床。軽く食べた後、車でミストトレイル入口付近の駐車場(ヨセミテバレーのスーパー付近)に駐車し準備。

6:00
 駐車場を出発し、ミストトレイルを歩く。

ミストトレイルは絶景。いくつも滝を見ることができる。ディズニーランドのスプラッシュマウンテンの世界を歩いているようだった。
その後、ネバダフォールへ向かう道へ進む。

6時の時点でハイカーもちらほらいて賑わっていた。

アプローチ(クライマー道)

トレイルとクライマー道の分かれ道

7:54
左手に写真の大きな岩場が現れる。個々が通常のトレイルとクライマー道の分かれ道。クライマー道に入ると人の気配は完全になくなった。

クライマー道はロストしやすく、不安になりながら進む。特に谷底を歩いているときはボルダリングの岩を登ったり降ったりする感じ。ヤマップのオフライン用の地図を持って行って本当に助かった。GPSがかなり正確。オフラインマップは有料だが価値あり。

ハーフドームに到着してからはトラバースしたりしながら取り付き場を目指す。

取り付き場でクライミング準備をしてマルチピッチに移行。

クライミング

11:00
1p
1p目が核心らしい。
登り方は2通り。右側の登りやすいクラックを使い、上部のルーフ下を左へトラバースして回避。
もしくは、スラブを直登(画像の黄色点線)。

万一の滑落も考え、確保できるトラバースルートを選択。
トラバースが本当に怖く、上部のクラックにカムを挿入後、少し下降しトラバースした。実際にはトラバースは問題なくクリアすることができた。つま先の摩擦を信じて登れば落ちないだろう。ロープ繰りが悪くなりトラバース終了後、カムで終了点を構築しピッチを切った。

2p
弟が先行。ルート上にボルトがあり、終了点もボルトがあったため比較的楽にクリア。
(本来であればここが1p目の終了点だった。)

この時点では動画を撮ったりして楽しむ余裕があった(笑)

3p
右へトラバース後、直上。ここからスネークダイクと呼ばれるダイクに沿ってクライミング。ルートの途中にボルトが設置されており確保可能。終了点もボルトあり。

4p
弟が先行。1ピン目、2ピン目は楽勝でクリア。その後の終了点まで足場がツルツル。結構な恐怖だがなんとかクリア。終了点はボルトあり。

5p
ここからは私がすべてトップ。
恐らくここでルートを間違えた。上部まで登り、左へトラバース。なんとかボルトにたどり着き、上部の大きなクラックにカムを挟んでプロテクション。正しいルートはさらに左へトラバースする必要があったのだと思う。

弟はここで、登るのが難しくアッセンダーを使い登った。

6p
ルートが間違っているのではと不安になりながら大きなクラックを直登。途中カリフォルニアの運転免許証を拾った。ルートに間違いないと言い聞かせる。(免許証は翌日にキャンプ4の受付に届けた。問題なく受け取ってくれた。)

ナチュラルプロテクションで終了作成。

登りやすそうなクラックがあったので来てしまった。本来はさらに左へトラバースのはず。

7p
ルートが間違っている。全くボルトがないしプロテクションを取れるところがない。40mほどランナウトで登りやっとナチュラルプロテクションが取れる場所で、支点構築。

8p
さらに直登で頂上を目指すがホールドがなく、遠くのフットホールドに足を乗せようとしたタイミングで落ちてしまった。全身を使いなんとか止まったが、直登は無理と判断。登ったことにより、左にトラバースをすれば登りやすそうなダイクを発見。

少し休憩しトラバースの途中で終了点を構築。

9p
さらに左へトラバース。なんとか直上出来そうなところまでくる。(おそらくここで正しいルートに復帰できた)

10p
緩やかな傾斜を直登。ナチュラルプロテクションは少し取れるため支点構築できるところでピッチを切る。ピッチが短くなっても確保できるところで確保して登る。

11p
ロープを使用しなくても大丈夫そうなところまでくる。安全のためにロープ使用。

12p
傾斜が緩くなり最後のピッチとした。
それ以降はサイマルクライミング(同時登攀 )で頂上を目指しす。

時間がかかりすぎていい夕焼けが見えてきた

頂上まで
サイマルクライミングを初めて30分ほどでなんとか頂上に到着。頂上に到達したときは安堵の感情が一番だった。
時刻はすでに20時。日没まであと30分ほどのため早々に下山準備。

登頂!!!!

下山

Snake Dikeから登ると下山ルートは反対方面にある。真ん中を歩き、やや右にそれると階段があるのでそちらを使用。
設置してあるのはワイヤーと木を置いただけの足場がある。下山もまあまあ怖い。通常のハーフドーム登り下りはここになるのだが引き返す人もいるのではないかと言うくらい恐怖感がある。

革手袋が必須
誰もいない

時間が時間のため、人がおらず貸切。贅沢を堪能する暇もなく素早く下山し尾根まで降りる。

ハーフドームの階段を下ったところでいい感じの夕焼けが見れた。

しばらくするとホビットでオークの王が主人公たちを追い詰める場面によく似た光景があった。弟も絶対にそうじゃないかといっていた。ガンダルフが松ぼっくりに火をつけて追い払うとこ。

完全に日が暮れ、暗闇の中ヘッドライトを使用し約3時間かけて下山。

深夜に道路を歩いているとレンジャーに話しかけられたがクライミング終わって駐車場に向かっていると言うと問題なかった。

24:30
なんとか駐車場までたどり着いた。

軌跡

ガーミン(Instinct 2 Dual Power)で軌跡をとりました。よかったら参考にしてください。

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