大学生の時、東京から大阪まで24時間以内に自転車で走りきる挑戦「キャノンボール」の存在を知ってからいつかは挑戦してみたいと思っていました。
20代最後になにか挑戦がしてみたかったこともあり、初めて挑戦してみました。
結果は大阪までたどり着くことはできず、名古屋でリタイア(370㎞)となりましたが挑戦したことにより、反省点や改善点がたくさん出てきました。これから挑戦する方の参考+次回のリベンジ備忘録となります。
キャノンボールとは
・東京~大阪間を24時間以内に完走することで達成
・スタートは東京・大阪どちらからでもOK
・スタート地点/フィニッシュ地点
東京: 日本橋(日本国道路元標)
大阪: 梅田新道(大阪市道路元標)
・挑戦する時期やスタート時間は自由
ルール
・24時間以内で走りきる
・交通ルールを遵守
・ソロ走行/サポートNG
今回は3人でキャノンボールに挑戦しました。なので、ルールにあるソロ走行ではありませんが、自己完結の挑戦ですので。
ルート
どのルートを使用していくのかはかなり重要です。
キャノンボールは1号線に沿って走るのが王道ですが、1号線はバイパスなどもあり走れない場所も多々あります。
変わり種としては山梨方面を走行したという方もいます。
あらかじめルートどのルートで行くかを入念に準備することが達成において重要です。
今回は奈良を通過する521㎞のコースにしました。このルートはかなり最短に近いコースだと思います。
ルート自体はゆうすけ SLさんという方がstravaで作成しているものを使用させていただきました。
stravaルートはこちら
箱根が最大の難所でそれを超えるとほぼ平坦です。
コースデータはGARMINのEdge530に入れました。
案内もわかりやすく、ほぼ迷わずに名古屋までたどりつけました。仲間の一人は最新のEdge1040のソーラーモデルを使用していましたが、こちらのほうが当然ですが優秀でした。
Edge530ではフル充電の状態でスタートして21時間で充電がほぼなくなりましたが、Edge1040では半分ほどバッテリーが余っていたのでキャノンボールでも充電を気にする必要はないのがよいですね。
試しにGARMINの腕時計(Instinct dual power)にも地図を入れてみましたが小さすぎて使えませんでした…
達成には1時間に22㎞進むことができれば達成できます。
沼津:6時間
浜松:12時間
名古屋:18時間
で通過できるのが理想です。
準備
特にいつものサイクリングと変えたところはありません。真夜中に走行するのでライト類を増やしたのと、反射板を自転車に取り付けたくらいです。
ルートは事前にGPXデータを走行する仲間と共有し、別でガーミンに入れました。ルート間違いを防げるのでよかったと思います。
ガーミンのルート案内は初めて使いましたが、とても使いやすかったです。地図の画面以外を見ていても曲がるときは自動で画面が切り替わります。
走行
実際の走行記録を表にまとめました。
23:00 | 日本橋に集合し準備 |
0:15 | 準備が完了したので出発 |
0:45 | 仲間がパンク、修理に15分ほど |
2:30 | 休憩(1回目):コンビニで菓子パン×1 |
4:10 | 休憩(2回目):コンビニでおにぎり×2、菓子パン×1、水 |
6:30 | 休憩(3回目):コンビニでおにぎり×2、ポカリ |
8:30 | 休憩(4回目):コンビニでおにぎり×1、ゼリー飲料×1、羊羹×1、水 |
11:00 | 休憩(5回目):コンビニでおにぎり×1、菓子パン×1、ポカリ |
13:20 | 休憩(6回目):マツキヨでアミノバイタル、おにぎり×2、ポカリ |
15:15 | 休憩(7回目):コンビニでファミチキ、パン、レッドブル |
18:00 | 休憩(8回目):コンビニでレッドブル、水、アミノバイタル |
20:45 | 名古屋駅到着、リタイア |
STARTから箱根
開始早々に仲間がパンクし、最初の1時間で16㎞ほどしか走れず幸先悪い。タイヤに亀裂が入ってしまい、不安なまま走行していましたが、最終的にはパンクは1回だけだったのでよかった。
深夜の都内は車もまだ多く、早朝スタートのほうが走りやすいと思いました。
神奈川県に入ってからは順調に進み、4時ごろ箱根の麓に到着。
9月の4時はまだ暗く、暗闇の中でヒルクライムしました。旧東海道は最大斜度20%と聞いていたので身構えていましたが、カーブの外側(傾斜が緩いほう)を走るとそこまできつい斜度ではありませんでした。
箱根の頂上あたりで日が出てきたのでダウンヒルは安全でした。下りは寒かったのでウインドブレーカーを着用。
三島から清水
三島を超えたあたりから通勤ラッシュの時間となりましたが、沼津あたりはそこまで道路の混雑はなく、順調に進みました。
掛川から浜松
150㎞を超えたあたりから手のしびれが気になりだし、200㎞を超えた掛川あたりから耐えられなくなってきました。
しびれを通り越して痛みがすごくでてしまい、ハンドルの持ち方をいろいろ変えたりしましたが、痛さで走る気力がなくなってしまいました。
浜松では20分くらいの大休憩をしてしまいました。
愛知県
愛知県に入ったあたりで、15時間ほど経過してしまいリタイアすることにしました。休憩の時に愛知でホテルを予約しました。
ここまでの道順で一番道路状態が悪く、凸凹で走りにくかったです。
総走行距離
368㎞
消費カロリー
6,593kal
最大心拍数
166bpm
平均心拍数
118bpm
経過時間
21時間
全体を通して心拍数を上げることなく、走ることができました。
そのため体力自体はまだ余裕がありました。もう少し速度を上げて走ることが可能だったと思います。
失敗要因
名古屋で敗退した理由はたくさんあります。
1.練習不足
2.荷物過多
3.補給職不足
4.スタート時間
5.装備品
6.やる気
1.練習不足
キャノンボールをなめていました。9月に挑戦しましたが、7月は1回も自転車に乗っておらず、8月は総走行距離が200㎞弱。9月は2週間で300㎞弱と足りなさすぎでした。
キャノンボール達成には平均走行スピードをあと3~4㎞あげる必要がありました。(平均速度を22㎞以上で走るため信号を考慮すると自足30㎞で走行できれば良さそうです。)
2.荷物過多
到着後のことを考え、サンダルや着替えを持って行ってしまいました。少しでも荷物を減らしたほうがよかったです。
荷物はトレイルラン用の小さいものに入れていきましたが、工具類、輪行バックは自転車につけ、それ以外はサイクルジャージに入れる範囲にしたほうが良さそうです。
3.補給食不足
疲労の軽減効果があるBCAA(アミノ酸)を昔はよく使用していたのですが、すっかり使わなくなっていました。
今回は用意しておらず、途中のドラックストアでアミノバイタルを購入して飲みましたが、最初から用意しておくべきでした。
その他のカロリーについてはコンビニ休憩時に都度買えるので持っておく必要はないと思います。
4.スタート時間
深夜0時にスタートしましたがこれは失敗でした。深夜0時にスタートするために21時頃家を出発したので、20時まで仮眠していましたが、夕方寝ることができず中途半端な仮眠になりました。
混雑が予想される東京を早朝。名古屋を深夜到着できる早朝4時~5時頃のスタートが良さそうです。
0時スタートは仮に達成しても路頭に迷うのは間違いありませんでした。
5.装備品
今回一番の敗因は手のしびれでした。200㎞を超えたあたりから手のしびれがひどくなり、走る気力がなくなってしまいました。
200㎞近いサイクリングをすると手がしびれることは多々ありましたが、それ以上走ったことがなかったので300㎞を超えた時の手のしびれ、痛みが耐えられなくなりました。
手のしびれが消えるまでは3日間かかりました….。完全に経験不足です。
その原因はエアロハンドルを使用しており、バーテープを巻いていないこと。グローブも薄手のものを使用していたのが原因でしょう。
厚手のバーテープ+厚手のグローブで対応してみます。
6.やる気
大阪にたどり着かなかったことを考えてホテルを取っていませんでした。
ホテルを取っていれば何が何でも向かったと思います。
次回は下記を改善して来年くらいに挑戦したいと思っています。
・エアロハンドルを変える
・厚手の手袋にする
・BCAAを事前に用意し、時間を決めて接種する
・早朝5時出発
・着替えなどの荷物を持たず、ホテルに送る(軽量化、リタイアしない意思)
・ホテルを予約しておく(何が何でも向かうという意思)
感想
500㎞という果てしない長距離と手の痛みで走る気力がなくなってしまいました。
200㎞通過時点で終わりが見えず、とにかく苦痛しか感じませんでした。
疲労はそれなりに溜まりましたが、食欲も落ちず100㎞ほどのレースに参加するより疲れませんでした。
この挑戦は精神力が何より大事なのだとわかりました。
ルートは景色がよいわけでもなく、車も多いのでもう2度と挑戦することはないなと思いながら走っていました。
走り終わって、翌日にはいろいろ書いた問題を改善して再度挑戦をしたいと思うので不思議ですね。
21時間走った後ですが、せっかく名古屋に行ったので我が家という居酒屋で名古屋飯を堪能しました。
深夜1時まで営業しているので助かりました。
特にお通しで出てきたおでんがおいしかったです。
というわけで今回は失敗しましたがまた挑戦します!