イタリア北東部に位置する、世界遺産の山岳地帯「ドロミテ」。
独特の岩の形が織りなす景観が美しく、自然の壮大さを感じさせてくれました。
この独特な地形は「ドロマイト」と呼ばれる岩石でできていて、かつて海の底だった場所が長い年月をかけて隆起し、風や氷河によって削られて今の姿になったそうです。
また、私が愛用しているアウトドアブランド「スポルティバ」も、このドロミテ山麓で生まれたメーカー。
現地にはスポルティバの専門店もあり、登山やクライミングが好きな人にはたまらない環境でした。
今回は数あるハイキングルートを巡るのではなく、ドロミテの絶景を望める一軒家に滞在し、のんびりと“暮らすように”過ごしてきました。

宿泊と滞在エリア
ドロミテはとにかくエリアが広く、どこに泊まるか決めるのにとても迷いました。
今回は「展望が良い」「町からあまり離れていない」「一軒家タイプのAirbnb」という条件で宿を探し、理想的な物件を見つけることができました。
実際に宿泊したのはこのエリア。
車で15分圏内にピザ屋やサンドイッチ店、スーパーも揃っており、滞在中の買い出しには全く困りませんでした。
徒歩圏にお店がなかったのは少し残念でしたが、それを補って余りある魅力がありました。
何より、窓から見えるドロミテの景色が素晴らしく、毎日のように室内からシャッターを切っていたほど。
Airbnbならではのユニークな建物に加え、今回はサウナ付きの一軒家だったのも良かったです。
(家自体はやや古めでしたが、それも味わいのひとつとして楽しめました。)





ドロミテでの食事
滞在中の食事は、ほとんど毎日スーパーで買い物をして、自炊スタイル。
外食は控えめでしたが、地元のスーパーがとても充実していて、食に関して全く不便は感じませんでした。
物価は全体的に日本より少し高め。でも、生ハムやパンなどはむしろ日本より安く手に入ることもあります。
自炊中心なら、日本と同じくらいの予算で十分楽しめます。
時期的なものか、閉業中のレストランも多かったです。


どのスーパーにも量り売りのハムコーナーがあり、注文するとその場でスライスしてくれます。
毎日違う種類の生ハムを100g単位で買っては食べ比べていました。
安いものなら100gで1.5ユーロ(約240円)程度から買えて、コスパも抜群です。
量り売り場の前に整理券をとる機械がおいてあることも多かったです。
本場のプロシュートはもちろん、普通の薄切りハムですら驚くほど美味。
特に印象に残っているのは、味付けされた薄切りのローストビーフ。
日本のものとは全く異なり、味、質感が驚くほどのクオリティで、満足度の高い一品でした。これはイタリアに来たら絶対に食べてほしい一品。
景色のいい家で、ハムをつまみに食事&ワインを楽しむ。そんな贅沢な時間を過ごしました。


日常を過ごす
公園に行く
旅先でのんびりと“日常”を味わうには、ローカルの公園がぴったり。
今回の滞在中も、地元の子どもたちが集まる公園をいくつか訪れ、我が家もたっぷり遊ばせてもらいました。
宿から車で10〜15分ほどの場所に、とても良い公園が2つありました。
Parco giochi
無料で遊べるエリアと、有料のアドベンチャーパークが併設された公園。
驚いたのは、公園内に馬や羊などの動物が放牧されていたこと。
遊具のすぐ横を動物たちが歩いていたりして、日本ではなかなか見られない不思議な光景でした。
我が家は無料の遊具ゾーンだけでも十分に楽しめて大満足でした。





Parco giochi Vigo di Fassa
もうひとつの公園は、360度ドロミテのパノラマに囲まれた絶景ロケーション。
地元の家族連れが多く、子どもたちはMTBで園内を自由に走り回り、大人たちはベンチでのんびりランチを楽しんでいるグループも。
日本の公園とはちょっと違う、のびのびとした空気が流れていて、「こういう時間もいいな」と思える場所でした。




観光へ
ドロミテには、絶景を間近に体感できる観光スポットが数多くあります。
今回観光したのは2か所。ロープウェイでの観光と、美しい湖「カレッツァ湖」へハイキングに行きました。
Seceda(セチェーダ)のロープウェイ
今回訪れたのは「Funivie Seceda Spa」から出ているロープウェイ。
一気に標高を上げ、ドロミテの迫力ある岩山を間近に眺められる山頂エリアまでアクセスできます。
360度のパノラマが広がり、まさに圧巻。
ただし、6月初旬でも山頂はかなり冷え込みます。
下界では半袖でも過ごせる気候でしたが、山頂は風が強く、長時間いるには防寒が必須でした。残雪あり。
ハイキングをしたい方は、もう少し暖かくなる時期をおすすめします。
※我が家は薄手の上着でも寒くて長居できず…本当は軽くハイキングをしようと思っていました….


絶景湖「カレッツァ湖(Lago di Carezza)」へ
幻想的な水色が印象的な「カレッツァ湖」。
ドロミテ山脈を背景に、透明度の高い湖水が広がる美しい場所です。
訪れた日は曇り空で、山の上の方は雲に隠れてしまっていましたが、それでも湖の美しさは十分に堪能できました。
湖の周囲は1周約1kmの遊歩道が整備されていて、子連れでも歩きやすく、20〜30分ほどで一周できます。
専用の大きな駐車場があり、アクセスがしやすいのも魅力のひとつ。
自然をのんびり感じたい方にぴったりのスポットでした。ハイキングをしなくても十分楽しめます!!


スポルティバの専門店で買い物
スポルティバの本拠地は、ドロミテ山麓にある小さな町。
専門店があり、日本では見かけない商品もずらりと並んでいます。
キッズウェアやTシャツ、クライミンググッズなどビックリする品ぞろえ。
ついつい、たくさん買ってしまいました。

クライミング
もちろん、クライミングも少しだけ楽しんできました。
ドロミテは本格的なアルパイン・マルチピッチクライミングが有名ですが、我が家は子連れということもあり、今回はシングルピッチとボルダリングを軽く経験する程度で楽しみました。
詳しいクライミングの内容については、別の記事で紹介予定です。


終わりに
大自然の中で暮らす日々は、まさに「予想通り、期待通り」でした。
ドロミテの山々を眺めながら、時間がゆっくりと流れていくのを感じました。
イタリアはワイン、チーズ、ハムがとにかく美味しい。そして安い!
スーパーで買ってきたものだけで、大満足の毎日。もちろん、パスタの品ぞろえも豊富で、いろいろ試すのも楽しかったです。
次回は、ドロミテでのクライミング体験についてご紹介します。
よければ、そちらもぜひご覧ください。
それではまた。

